会場に入場する際に、来場者は一枚のカードを受付で渡される。
このカードの裏には、「酒井さんですか?」というひとつの質問に対する回答が書かれており、会場内で誰かに「酒井さんですか?」と聞かれたらその回答を答えるようにと書かれている。
このカードには107種類あり、会場内の人は皆違う回答を手にしている。来場者は皆、答えるばかりでなく、自身もいろんな人に「酒井さんですか?」と尋ねることによって、様々な回答を知っていくことになる。
また、実際に酒井翠本人も会場内におり、実際の酒井に「酒井さんですか?」と尋ねることが出来た人は、108個目の回答を酒井から聞き、そして108種類の回答が羅列された小さな本を手に入れることができる。
このようにして、来場者は『酒井さんですか?』という一冊の大きな本を、酒井を探しながら、そしてたくさんの知らない人たちと出会いながら読んでいくことになる。また同時に、自身もその本において重要な一部を担うことになる。
そうして、その大きな本を読み進めていくと、やがてその本に内包される小さな本に辿りつく。
→(左)来場者に渡されるカード表面 (右)来場者に渡されるカード裏面例(注:108番目のこのカードは作家本人が所有) (右)カード中面の説明
→小さな本。 |