bus
バスはやっぱり不安定だね。レールないし。
飛行機より身軽に気ままにどこかに消えられる。
くらいくらい東京都だかなんだかわからない道を走る郊外のバスに
たったひとりで乗っていると
どこか知らない場所に行ってしまいそうで
わくわくしてどきどきしてたのしくてこわくて
いつも少しだけ泣いてしまう。
でねでね、「次降りますランプ」を押すと
バス中にその赤い光はイルミネーションのように一斉に灯る。
あれはちょっとした見もの。
祝福されているよな不思議な気持ちになって
それでまたあたしは少しだけ泣いてしまう。
泣いてばかりいる夜のバスの風景。
バスは自由で、光に赦されて、泣いてばかりで、夜を巡る。