疾走というコトバが好きで。
その長続きしない感じとかも好きで。
たぶん疾走してるときの走り方ってどうしようもなくみっともない気がして。
正しいフォームとか、取れる筈なくて。
(だって、それは一つの病だから。疾走とは、走る疾患なのです。)
だからこそすごくキレイだと思うのです。
みっともないぶん、イトオシク輝くのだと。
でたらめな速度はムゲンダイで。
混乱したメーターは、振り切れると決まっているので。
めちゃくちゃに走ればそれに勝るスピード感なんてないのです。
育ち盛りの健康優良児が100mを走り抜くことと。
瀕死の使者が渋谷から日比谷へ必死で疾走すること。
60進法で整然と計られた数値は
最早おおっぴろげに投げ出されたみっともなさの前ではあまりにも儚く
疾走する。疾走する。
それはとにかく魅力的なスピードなのです。
(ちなみにスピードに乗って声に出して言ってみましょう。
「瀕死の使者が渋谷から日比谷へ必死で疾走する」
言えましたか?言えませんか?
言えないのなら腹を立てて言えるようにがむしゃらに何度もチャレンジしてください。
たぶんみっともなくも魅力的なスピードが、そこにも。)