あろうことか
このあたしが最近お菓子作りに目覚めました。
とはいえレパートリーはまだまだひどく少ないのですが。
それでも、
指一本余計に動かすことさえ厭い、
得意料理は野菜炒めという
あたしの性質を知ってるヒトにとっては驚愕する事実だと思われます。
でもやっぱり作りたいのは甘いもので。
相変わらず普通食には興味がいまひとつ沸きません。
甘いものを作り始めたそもそものきっかけは。
それは過度の疲労と焦燥となんかよくわかんない怒りと
それがごっちゃになって生まれた浮かれた気分からでした。
長い一日の終わりにあたしは気付くと東急ハンズにいて。
値の張るチョコや綺麗な包装紙たちと引き換えにお札たちを手放し。
次の日30個のバナナチョコレートマフィンを焼き狂ったのでした。
元々は
バナナチョコマフィンなどにさして興味はなかったんです。
ただひたすら
正確に分量を量り、チョコを砕き、バナナをぐちゃぐちゃと潰し、電動泡立て器の振動に身を任せ、カップに流しいれ、綺麗に鉄板上に並べ、ひたすら焼く
そんなことがしたかっただけなのでした。
でも、そう。
そこは、さすが、甘いもの。
そのバナナチョコマフィンは想像以上に美味しく、
あたしはなんだか本当に幸せな錯覚を起こしたのです。
とろければいい。おぼれればいい。
その甘さはうっとりと脳細胞を麻痺させたのでした。
その上。
なんだかんだでいろんなひとに配ってみて。
みんなが甘いものに溺れて
少しだけタガが外れる様を見るのも悪くないなー、と
そんな小さな楽しみも。
意外とまともに知ってしまったのです。
そんなわけで。
最近はケーキなんかも作っちゃったりして。
周りを巻き込みながらの甘いもの道。
溺れるのに飽きるまでのしばらくは、邁進したいと想います。